保育事務に保育士資格は必要? 必要になることが多い資格やスキル、経験について紹介

保育事務とは保育園の運営に関わる事務、バックオフィスの業務のことです。子どもたちの保育をメインとするわけではありませんが、「保育士資格は保育事務で必要なのだろうか?」との疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

当記事では保育事務に必要な資格、あった方が良いスキルや経験について紹介します。保育士資格の有無やその他スキルや経験など、よくあるものを取り上げていきます。

 

保育士資格の必要性は園の環境により異なる

保育園において、保育士資格は子どもたちの保育を担当する方には欠かすことのできない資格です。しかし、保育事務を担当する方には必ずしも保育士資格が求められるわけではありません。

必要性の区別は、結局のところ園の方針により異なります。求人情報に「保育士資格必須」と記載するケースもあれば、「保育士資格があれば尚可」としているケースもあります。あるいは何も言及されておらず、保育士資格が必要ないとしているケースもあります。

法的には保育事務に対して特定の資格が必須とされていませんので、このように園によって取り扱いが異なっているのです。

保育士資格の必要性については、施設の大きさ、組織体制、求められる業務内容などにより異なります。例えば、小規模な保育園では事務職員が保育の補助を行う機会もありますし、緊急時の対応を任せる可能性もあります。初めから保育事務担当にも保育を期待するような場合には、保育士資格が必要となるでしょう。

しかし、大規模な保育園である場合など保育士資格を持つ方が多く在籍しているとき、保育事務担当者は事務業務のみに集中することが想定されていることもあります。そうすると保育士資格を必須とする必要はなくなります。その反面、保育事務に対する専門性を高めるため、事務経験やパソコンスキルなど、その他のスキルや資格を重視することになるでしょう。

 

保育事務に求められるその他資格やスキルなど

保育士資格に関しては上述の通りです。そして国家資格など特別な資格を持っていることが保育事務に必須とはなっていないのですが、場合によっては以下に挙げるような能力等が必要となります。

 

事務経験

求人をかけるにあたって「事務経験があること」「〇年以上の事務経験あり」などと記載される例もあります。しかし逆に、「経験不問「未経験OK」とする例も少なくはありません。

そのためこちらも各園の判断に任されているということです。

事務経験を必須とする場合の傾向としては、やはり事務の内容が高度である場合が多いです。給与計算、経理など、ある程度専門知識がなければすぐに働き始めることが難しい場合には過去の経験が重要になってきます。

一方で、経験不問としつつその後職員を教育していく方針を持つ園もあります。実務で学んでいけば良いと考える方もいますし、専用のツールを導入している・専門家のサポートが受けられる環境にある、といった理由で職員には高いレベルを求めていないこともあります。

 

保育補助の経験

保育事務担当にも保育補助を求める職場では、前述の「保育事務経験の有無」同様に、「保育補助経験の有無」も重要になってきます。

「保育補助の経験必須」としている例はそれほど多くはありませんが、小規模の園でそれほど人員も多くない場合だとやはり保育のサポートに入れる方がいた方が安心です。また、保育補助の経験に代えて保育士資格必須とするケースも考えられます。

 

パソコンスキル(Word・Excel)

保育事務の本業は事務作業です。そして事務作業でよく使うソフトが「Word」や「Excel」などです。基本のソフトが操作できないとなれば入社からの教育期間が長くなり園側の手間とコストがかかってしまいます。

そのため「パソコン操作できる方」や「WordやExcelが操作できる方」と最低限の条件を設けるケースはよく見られます。少し具体的に「Excelを使って表作成などができる方」とする例もあります。

なお、近年はWordではなくGoogleの「ドキュメント」や「スプレッドシート」などのサービスを使うことも増えています。

 

子どもが好きであること

保育園で働く方全員に求められる適性を挙げるとすれば、「子どもが好きであること」といえるでしょう。

保育事務であれば保育士に比べて子どもと接する機会は少ないです。しかし出勤時や退勤時、その他さまざまなタイミングで子どもたちとのコミュニケーションが生じることが予想されます。

必須のスキルと呼べるものではないものの、やはり長く続けるためにも子どもたちを含む園にいる全員が気持ちよく働くためにも、子どもが好きであるということは重要なポイントです。

客観的に「好きの程度」を測ることはできませんが、「子どもが好きであること」が応募条件になることで、特に子どものことが好きな職員だけが集まる環境を作り出されることでしょう。

 

学歴

学歴に関しては多くの園で条件にはしていません。「学歴不問」などとしている例がよく見られますが、法人としての規模が大きい場合など、高度なスキルや実績を求める場合には手段の1つとして学歴で応募者を絞る方法も考えられます。

簡単な事務作業ではなく、経営や管理に近い立場の人材を求める場合に設けられる可能性が高いです。

 

英語スキル

インターナショナルスクールのように英語主体で保育を行っている園の場合は、子どもたちと接することがメインではない保育事務職員であっても英語スキルが必要となります。外国人の保護者、子どもと接する可能性もあります。

そこでそのような園だと「英語が喋れること」が条件となり、少なくとも英語の読み書きはできる必要があるでしょう。「過去に英語を使った仕事をしたことがある」などの条件を付ける例もあります。