保育事務とは?役割や仕事内容、求められるスキルについて解説

保育園で勤務するのは保育士だけではありません。その他バックオフィス等を担うさまざまな従業員も一緒に勤務しています。その中でも「保育事務」は保育園の運営を支える重要な役割を担っています。

当記事では保育事務の仕事について焦点をあてて、その役割や仕事内容、求められるスキルについて解説します。

 

保育事務とは?

「保育事務」とは、保育園の事務を担当する仕事を意味します。

具体的な仕事内容は後述しますが、幅広い業務を担うことが多く、保育園運営に欠かせない存在です。

ただし、法令上「保育園に必ず配置するもの」と規定されているわけではありませんので、園によっては保育士が保育事務の仕事を担うことがありますし、園長や副園長などが担うこともあります。

しかし、事務全般を専門的に担う保育事務を配置することで保育士の負担軽減や質の高い保育が可能になり、より良い園の運営が期待できると考えられます。

 

保育事務の役割・仕事内容

保育事務は、保育園の運営を支える裏方としての役割を担っています。

仕事内容は一般事務と大きくは変わりませんが、保育園の中で子どもたちやその保護者と接する機会があったり、時には保育の補助をしたりすることも考えられるため、子どもが好きな人にとっては、一般事務よりも仕事にやりがいを感じることもあるでしょう。

反対に、子どもとの触れ合いが苦手な人にとってはやりがいを感じにくいこともあるかもしれません。

保育事務の仕事は、基本的にはデスクワークとなりますが、備品の買い出しや役所へ書類提出、行事の手伝いなどで外へ出向くこともあります。入園式や卒園式、運動会、発表会など、大きな行事がある際には、それに伴い事務作業が増えたり、保育士のサポートが増えたりして普段よりも忙しくなる傾向にあります。

具体的な保育事務の仕事内容は園によって異なるのですが、一般的な仕事内容としては以下で挙げるような業務があります。

 

労務業務

保育事務の1つに「労務関係の業務」が挙げられます。

保育士のシフト作成や勤怠管理、入社・退社に伴う書類の作成などがこれに当たります。

また、給与計算や福利厚生、社会保険の手続きなども行います。保育士をはじめとした園で働く全てのスタッフがより良い環境で働けるようサポートします。

 

経理業務

「経理関係の業務」もあります。

経費精算や請求書支払い、保護者から現金を集金した際の計算や現金管理、各行事の予算管理・実績管理などを行います。

これらに加えて、伝票記入や帳簿作成、予算書・決算書の作成などを行うこともあります。経理関係の業務は、他の業務と比べて専門知識が求められることもあります。

 

広報業務

「広報関係の業務」を担うケースもあります。

広報は園児の募集や園の情報提供に欠かせない業務であり、例えばWebサイトの管理や更新、ブログやSNSの更新、Webサイトやブログに掲載する園児の写真撮影などを行います。

 

その他の業務

労務・経理・広報業務といった枠組みで区分できないその他さまざまな業務も保育事務に含まれます。

電話対応やメール対応、取引先の業者など来客があった場合にはその対応も必要です。

また、園児や保育士が使用する備品の管理と発注や、保護者に配付するお便りの作成、行事の発案やスケジュール管理、年間スケジュールの作成などの業務もあります。

さらに、行政・役所への提出する書類の作成や、補助金を申請する際の書類作成も重要な業務です。

ここまでで挙げた通り、保育事務は保育の現場を支えるために幅広い業務を担っています。保育士の存在が目立ちますが、園全体の運営を円滑にするためには保育事務を担う人材の存在も欠かすことはできません。

さまざまな事務作業を効率的に遂行することで、保育士がより専門的な保育に集中できる環境を整え、園児たちの幸せな成長をサポートする仕事が保育事務といえます。

 

保育事務に必要なスキル

保育事務の仕事をするために必須の資格は特にありません。保育事務を担当する人材に対し保育士資格も基本的には不要としている園が多いでしょう。

しかし保育士資格を持っていることは採用に当たり有利に働くと思われます。保育士の人手が足りないときに保育補助としてサポートに入ることができるからです。

また、保育事務の仕事はパソコンを使用することが多いため、パソコンに関するスキルや資格を有していると仕事を効率的に進めることができます。例えば、マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)の資格を持っていることで、資料作成やプレゼンテーションなどの実務の際に役立ちますし、採用時には最低限のパソコンスキルはあると判断されるでしょう。

条件として求められる資格はないものの、保育事務と関連性のあるスキルをアピールするのに使える資格はたくさんあります。