認定こども園での保育、幼稚園での幼児教育などは無償で受けられる制度が運用されています。無償化に向けて特別な手続きを行う必要がないケースもありますが、手続きを進めないと無償にならないケースもありますのでご注意ください。当記事ではその手続きについて説明をしています。
無償化に関する各施設の手続き
保育施設、幼児教育施設にも種類があります。施設の分類によって無償化に関する取り扱いが異なりますので、下表で概要を整理しておきます。
施設 | 手続き |
認定こども園
幼稚園 保育所 地域型保育 |
「子ども・子育て支援制度」に対応している認定こども園や幼稚園、保育所、地域型保育であれば、無償化の適用を受けるために特別な手続きは必要ない。 |
企業主導型保育 |
「企業主導型保育事業利用報告書」を施設から受け取り、必要事項を記入。当該施設または市区町村に提出する必要がある。 ※“地域枠”での利用者は「保育の必要性の認定」を受けるために市区町村での申請が必要。 |
認可外保育施設 | 市町村から「保育の必要性の認定」を受けることで無償化の適用を受けることができる。申請書類は市町村から配布され、必要事項の記入等を済ませ、市町村に直接申請を行う。 |
子ども・子育て支援制度未移行の幼稚園 |
「子ども・子育て支援制度」への移行をしていない幼稚園では、無償化の適用を受けるための申請が必要。 幼稚園から資料を受け取り、幼稚園を経由して市町村に申請する。 |
幼稚園の預かり保育 |
幼稚園での預かり保育を利用している方は、市町村から「保育の必要性の認定」を受けることで預かり保育に対する無償化の適用を受けられる。 幼稚園から申請書類を受け取り、幼稚園を介して市町村に申請を行う。 ※認定こども園の幼稚園部分を利用している場合も同様。 |
通っている施設がどこに分類されるのかわからない(認可なのか認可外なのか、など)という方でも、各自治体の担当窓口にて確認が可能です。
「保育の必要性の認定」が必要な場合の手続き
上の表で記したように、いくつか「保育の必要性の認定」が求められるケースがあります。
この場合、手続きのために要件を満たしていることの証明が必要となります。
例えば月48時間以上の就労をしていること、妊婦であること、疾病または心身障害があること、同居親族の介護をしていること、求職活動をしていることなど、さまざまな事由で認定を受けることができますが、その証明はしないといけません。
また、各自治体で定められた「施設等利用給付認定申請書」を入手し、必要事項を記入しておきましょう。
就労証明書が必要
就労を理由に認定を受けるケースが多いと思われます。このときは「就労証明書」を添付するため、勤め先の会社に作成を求めましょう。
個人事業主の方ならご自身で作成することになります。夫・妻がその個人事業主の専従者として働いている場合もありますが、そのときでも就労証明書は個人事業主の方自身で作成を行います。
非課税世帯の場合の手続き
住民税非課税世帯の場合は無償の範囲が広がります。
副食費も免除されるなどの優遇措置がありますが、この場合別途手続きを行う必要はありません。無償となるときは自動的に自治体から通知がいく仕組みになっています。
ただし、「子ども・子育て支援制度」への移行をしていない幼稚園を利用している方は手続きが必要となるためご注意ください。詳細をお住いの市区町村にて確認しておきましょう。
無償となるため請求手続き
無償化の適用を受けられる場合、認定こども園や幼稚園、保育所など多くの施設では自治体から直接利用料が支払われます。そのため利用者に一時的な負担がかかることもありません。
ただ、「子ども・子育て支援制度」に未移行の幼稚園や預かり保育に関する費用、認可外保育施設など、一部償還払いとなるケースがありますので各自治体の窓口にて確認しておくなど注意が必要です。償還払いの場合は、支払いの時期や回数、請求の仕方をよくチェックしておき、所定の期限までに手続きを済ませておかないといけません。
なお、その手続きの際は、利用している施設が発行する提供証明書や領収証など支払いが確認できる書類が必要なります。これを自治体に提出しないといけませんので、施設から受け取った書類は大事に保管しておきましょう。
※施設の方で領収証を取りまとめて市区町村に提出しているケースもあるため要確認。